frm AtoZ

        fj.rec.models の FAQ (本編)

        [Tech]の章                        (最終更新:1997/10)


Q:接着線を消すにはどうしたらいいでしょうか。

(a)
まず、仮組みを行って、パーツのアワセを見て。
一番簡単なのは接着剤をほんのすこーしはみ出させて、それに
400番位から600番位のペーパーヤスリでコシコシする。
気を付けなきゃいけないのは、指とかでやるとパーツの角とか
よけいなトコまで削っちゃうので注意しましょー。

隙間が開いちゃってる場合は、パテ盛りですね。
段差にパテおいて、固まったら削る。
上からサーフェイサー吹くことを考えても、結構丁寧にやったほうがよろしい
でしょう。

(b)
パーティングラインのヒケが小さければ、粘性の高い瞬間接着剤を
流し込むのも手です。やはり、厚めに盛っておいてペーパーがけします。
ラッカー系のパテのようにヒケることがあまりないし、作業が早くなる
ので好んで使っていた手です。

また、ペーパーがけにサーフェイサーを併用すると表面が滑らかになります。
(仕上げの表面処理にもよるので、一概にお薦めしていいのか分かりませんが)

十分硬化してから、アートナイフで少し削ることもあります。

硬化後の硬さは各社製品によって少しずつ違うような気がします。

(c)
埋めた部分と周囲の固さを同じにしたいなら……
  アクリダイン(アクリル用接着剤)に、プラスチックの削り屑(改造した
破片とか、ランナーを削ったものとかをだばだば入れてドロドロにとかした
ものを塗る、という手法もあります。あまり厚くは塗れませんが、乾くと
周囲とのフィットは完璧で、昔からヒコーキモデラーに愛用されていた
手法らしいです。

パッケージに「二塩化メチレン」もしくは「メチレンジクロライド」(同じ
意味ですね)と書いてあるものが大概の模型用プラスチック素材に使えます。
アクリダインはたぶん二塩化メチレンそのものだと思います。
あと「プラ大王」とかモデラーズの低粘度接着剤もそうだったと記憶してお
ります。

スチロール系やアクリル、ABSにはつかえます。硬質エンビにも使えるかもし
れませんがあまりうまくつかなかった様に思います。

またこの手の溶剤とABS(たぶん)の粉がセットになったプラリペアという製品
もありますね。 いろんな色のものがあって、モデルガン屋さんとか大きなバイ
ク屋さん(カウルの修理用) にあるようです。
これは液体の主剤と粉末状の硬化剤を混合することにより、化学変化により硬
化する歯科用レジンを一般向けに販売しているものだったと思います。強度、
対磨耗性に優れ、加工性に劣ると推測されます。

溶剤を含んだパテ一般にいえることですが厚盛りすると表面だけが先に固まっ
て中の溶剤性分が揮発しなくなって、素材そのものに浸透してフニャフニャに
なるということもたまにありますね(きっとご存じでしょうけど)

(d)
継目の線の処理ですが、接着後、段差が無いような場合は、瞬間接着剤のノズルを
継目に沿って引きながら、薄く塗り(多少の溝なら、少々多めに盛り上げること
で埋まります)、固まった後でヤスリ(400番〜600番程度の耐水紙ヤスリ。木片な
どに巻いて使うと良い)をかけて瞬着部分を削り、最後に仕上げのヤスリがけ
(1000番程度を水につけて研ぎ出す)を行なえばキレイになると思います。

一応、継目がキレイに消えたかを確認するために、サーフェイサーを塗って
確かめてみるとよろしいかと思います。

ヤスリがけで、本来のモールドラインが消えてしまった時は、カッターナイフや
デザインナイフで彫り直しておきましょう。

この手法は飛行機の胴体部分や、ロボットの足、腕など、広く適用できます。

(e)
曲面のRを保ったままサンディングをするのに、女性用のネールポリッシャーに
耐水ペーパーを貼り付けたものや、3Mのなんとかいうやつ、、(なんでしたっ
け?スポンジの片面が研磨面になっているやつです)なんかも試されるといいか
もしれません。

(f)
凸モールドのキットの表面をととのえるのに、耐水ペーパーだとモールドが
消えてしまうのでスチールウールを使ってみたのですが、
スチールの細かい繊維がそこいらじゅうに飛散して、磁化した工具に付着したり
してちょっと困りました。。。。使ったのは0000番です。

Q:パーツがひどく歪んでいるのですが、どうしたらいいでしょう?

(a)
あまりに精度の悪いパーツ(海外キットとか)は熱湯中でゆっくり
曲げます。難しいです。

(b)
ソフビ(ソフトビニール)ではよくあることで、熱めのお湯につけると
もとに戻ります。そのまま冷やせば大丈夫。


Q:可動部分がヤワでポーズを付けて立たせておくのが困難です。
    みなさんはどうされてますか?

(a)
関節が緩くなったら、テープを貼るとか接着剤を塗って
乾かして太くするとかすると、しまって良いのではない
でしょうか?
乾く前に関節を入れてしまうと、くっついちゃうので、
注意しましょう(^o^)

(b)
マスキングゾル、なんてどうでしょうか?
くささ爆発ですが、間接はがっちり固まります。

(c)
ええと、ポリキャップとかでもユルいもの、またはユルくなる部分と言うのがあ
りますので、可動を捨てれば「瞬着又は補強材で補強=固定」になります。
どうしても可動を捨てたくない場合(大抵捨てませんけど(^^;)ポリキャップと
その軸ごと除去し、別の(「ご可動さま」や「他のキット」とか)しっかりした
可動部分を移植します。

(d)
ポリキャップに差し込むプラ棒に、瞬間接着剤を塗ってちょっと太く
しちゃうとか、では効きませんか?

(e)
キットのポリ袋をやぶって軸とうけの間にはさむ、なんて方法も
いにしえにはありました。(^^)


Q:余計に開いている穴を埋めるには?

丸い穴なら、プラ材を埋めこんでから、タミヤパテなどで隙間を埋めて、
後はきちんとヤスリがけをすれば十分だと思いますよ。
穴が腕の中の方まで突き抜けてるなら、まずプラ板で裏から穴を塞いでから
同じ様にすれば大丈夫ですし。

またプラ材で埋めるのが面倒なら、エポキシパテを使えば大丈夫でしょう。
ただ、エポキシパテの練り損ないは、悲惨な事態を巻き起こしますので、
十分に練る事が重要ですけど。(なんどやってしまったことか(苦笑)。)
練り損ないさえしなければ、エポキシパテは、オススメです。

小さな穴は、瞬間接着剤とその硬化剤で埋めちゃいます。


Q:パテって、いろいろな種類があるみたいですが?

模型店などで簡単に入手できるのは、、

・プラパテ(ラッカーパテ)(歯磨きみたいなチューブ入り)

 ラッカーシンナーな匂いがします。 一度に厚く(5mm以上?)
 塗り上げると下のプラスチックをヤワヤワにしてしまうので、
 埋める穴の大きさによっては あらかじめ プラ棒で塞ぐなど
 しましょう。
 また、硬化するとき溶剤分が蒸発するので若干ヒケが起きます。
 やや余分に盛りつけてつかいます。
 爪に付いたらラッカーシンナーで落とします。
 大体1日〜3日で硬化します。
 「タミヤ」ブランド200円、など。
 グンゼのはクリーム色で、キャラ物等にはよろしいかと。(^^)

・溶きパテ(ビン入り)
 これは、筆塗りのサーフェイサーに分類したほうがいいかもしれません。
 ラッカーパテを薄めたものと思ってください。
 成型のひけ(わずかなへこみ)を埋めたりするときに使います。
 もちろん、サーフェイサーとしても。
 「グンゼ」ブランド200円(?)、など。
 (上記のプラパテをシンナーで溶いて使うのもグ〜です。)
 
・エポキシパテ(軟らかいガム状)

 二種類のパテ材をこねて混ぜることで硬化が始まります。
 冬場は固いので、ドライアーで軽くあぶって 軟らかくしてから
 使うといいでしょう。
 ヒケはほとんど発生しませんし、下地のプラがヤワヤワになることも
 ないので大きく盛付けたりするのに使います。
 1日から2日で硬化します。
 ちょっとべとつきますが、かるく手に水を付けることで対処します。
 また、埋めたり、盛付けた後 水を付けた指で磨く用にならして
 やると、固まった後の表面の磨きが楽になります。
 「タミヤ」ブランド300円、など。

 ミリプットのエポパテにはきめの細かさで数(3?)種類あります。
 模型用としては事実上いちばん細かいもの(白色のやつ)しか使えない
 と思いますが、それに関して言えば使用感はすばらしいです。
 食いつき、加工性、硬化後の硬さ、全てにバランスが取れています。
 欠点は高すぎる価格と少量で売っていないこと、手にこびりつきやすい
 ことです。

・セメダインのエポキシパテ
 オレンジの箱に入った「金属のように固まる」パテです。
 宣伝に偽りはなく、硬化後はカチンカチンに固まり、カッターでの
 削り出しに苦労すること保証できます。
 余りに硬く丈夫なので、スクラッチ(1/1の銃機など)の芯材に
 使うと強度が一気に増します。
 # 無精にのばした髪を切って混ぜ込み「繊維強化樹脂や!」
 # などとほざいていた学生もいましたな(俺や俺 ^_^)。
 DIYのお店に置いてある可能性が高いです。

・ポリパテ

 隙間埋めなどよりは、ムクの塊つくりやキットの裏打ち等、改造に
 使うことの多いパテです。
 主剤と硬化剤を混ぜて やや硬い歯磨きぐらいの粘度で使います。
 メーカーによってはいろんな粘度や、粘度を調整する材料を別で
 発売しているところもあります。
 匂いはきつい方ですので換気に気をつけましょう。指や手に付いた
 分はシンナーで拭うようにしますが、出来れば直には触らず、へら
 などで扱いましょう。
 溶剤の蒸発が伴わないのでヒケはほとんどおこりませんが、
 主剤と硬化剤を混ぜる時に お互いに粘りがあるので、気泡が
 混ざります。盛り付ける時に注意しましょう。
 プラモデルの部品との食い付きは良くないので、瞬間接着剤を混ぜて
 使うのをお勧めします。
 硬化時間はその時の室温(高い程速い)や硬化剤の量で変わりますが
 5分〜30分程度。
 メーカーや硬化剤の分量にもよりますが、硬化直後は比較的削り易い
 ですが、時間を経るにしたがってかたくなります。
 粘りにはやや欠けるので、尖ったもの、薄いもの、エッジの立ったもの
 には向きません。
 これもタミヤブランド(900円)のものが入手しやすいでしょう。
 他に模型用としてはワークからも出ています。
 他に自動車補修材としても出回ってますので、オートセンターなどで
 ホルツ社のもの等が入手できます。

・瞬間接着パテ

 4つの内で単価が一番高価(1400円)なパテです。今のところ
 アルテコ社からSSPという商品名のものが発売されています。
 ( Shunkan Secchaku Putty ,,,,(^^;  )
 隙間埋めや、キャストキットの接着等に使います。
 チューブに入った粘性の液体と、カップに入った粉末を混ぜて使います。
 瞬間接着剤をパテとして使えるというアイテムですので、接着+α的な
 隙間埋めに向いてます。
 硬化後は比較的脆いようですので ポリパテと同じく、尖ったもの
 薄いものなどには向いていません。
 硬化時の匂いはきついだけでなく、刺激も強いので換気を充分に
 するのはもちろん、混ぜる時に顔を近づけたりしないように。
 指に付いた分はアセトンでとることが可能ですが、直接触るのは
 避けるようにしましょう。

  SSP IIというのもあります。
 どれぐらい引けちゃうか経時変化見るほど長く使っていないんでわかりま
 せんが、あの硬度(というか柔軟性、か)からみるに十分充填緩衝材とし
 て使えそうですね。
 で、一点困ったちゃんなことが:
 白色系キャストにSSP2の濃灰色というコントラストがきつすぎて、
 下地処理に鼻血がでそうなほど苦労しているんです。。


Q:異種類のパテを重ねた場合の相性ってありますか?

(a)
エポパテとポリパテの混合使用でトラブルは経験していません。

(b)
ポリパテ単体での「経年変化でのシワ」「縮み」がでたやつも
ありますが、エポパテといっしょだからそえがヒドイとかいった
事は「私の作ったモノ」の範囲では見られません。

「食いつき」という面ではエポパテをポリパテに盛る分には
問題は小さいようです。
ポリパテ整形時の削り屑とか埃とかには注意が必要ですが、
エポパテ側に粘着性があるので問題は小さいでしょう。

逆にエポパテである程度 平滑な面を作ってからポリパテを
盛るとポロリと外れる場合もあります。プラ板にもいま一つ
食いつかない場合もありますので、あらかじめ硬化剤を混ぜる
時に いっしょに瞬間接着剤を混ぜたり、硬化してから境界面に
瞬間接着剤を流し込んだりすると良いでしょう。

むしろ、こうして異種素材の境界が表面に出てると
サンドペーパーかけや、スジボリでのディティール入れで
硬さの違いから「筋目」や「段付き」が出てしまう場合が
あるので気を付けましょう。

最近の流行(?)はいったん プラキャストで置き換えて
ディティールを入れるようです。
一手間(で収まらんぞ^^;)増えますが、ディティールは
奇麗に入るようになります。


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