frm AtoZ fj.rec.models の FAQ (本編) [Rail]の章 (最終更新:1997/02) [HO]の段落 注)HOとしてますが、日本では16番のことを指しています。これは、日 本型を国際規格の1/87でなく、1/80で作っているからです。1/87の日本 型もありますが、16.5mmは1形式を除いてなく、12mm幅の線路の上を走 るものが主流となっています。 主にペーパーモデルの作り方となってます、、 Q:HOの車輌って、何で作るの? 車体を作る材料としては紙(+木)、プラ板、金属(真鍮/洋白等)と いろいろありますが、私は紙で作ります。さらに屋根は木で作る人もい ますが、わたしは屋根まで紙の一体(ペーパールーフ)で作ります。理 由は継ぎ目がひび割れやすいことと、そして高さ制限がないこと(モー ター等を入れるのにえぐらなければいけないこともある)、そして軽く できることにより重心をさげることができるからです。 紙といってもいろいろありますが、私はいさみやペーパーと呼ばれる、 いさみやロコワークスが出している方眼の印刷されたアート紙?を使っ ています。以前はマニラ紙と呼ばれる白ボール紙を使っていましたが、 強度他の面から今は使いません。 いさみやペーパーには以前t0.5とt0.3の2種があって、外にはt0.5、内 には0.3というような感じで使えたのですが、今はなく、t0.4という中途 半端な厚さのものになってしまったようです。なぜ中途半端かというと、 仕切板などを作る場合、寸法を-0.5(x2)すればよく、けがき易かったの ですが、0.4だと0.1mmがやっかいです。(まぁ、0.1の誤差なんかすぐ 出ますけど。^^;)話によると、t0.5と0.3はいさみやロコワークスでなら 買えるようです。 Q:設計図はどうするの? 自分が作っている奴は、TMS,RM,RF等に載った形式図、または誠文堂新 社がだしていたガイドブックの形式図から、1/80の寸法図を作ります。 .25mm 単位を最小にして、それより半端なものは差分を動かして調整 します。 問題は側面の高さ等不明確な所ですが、1/80の詳細図があればそれを、 なければ写真を撮ってそれから比率計算で算出します。ディテールUpの 時など、実物の写真は資料として必要になりますから、できるだけ撮影 しておくことをお進めします。屋根をペーパールーフで作るときは、1/ 80の図面がどうしても必要になりますが、屋根の曲線を短い直線に置き 換えます。その長さ(半分x 2)を屋根の寸法とし、置き換えた直線長さ を間隔として曲げのスジをいれます。最初に一部を使ってモックアップ を作ってみるとうまくいくかどうかの確認ができます。 Q:けがきはどうするの? 0.5mmのシャープペンシルをつかいます。芯はHBかFを使用しています。 いさみやペーパーは方眼が印刷されているので、直角など楽にけがいて いくことができます。 Q:窓抜き、切断はどうするの? 窓抜き、切断はカッターナイフを使います。(直線部分)なお、窓はま だ抜かずに、車体だけ切り離して、屋根のだいたいの曲げを先にやりま す。スジ付けのラインにしたがって軽く(うっかり切り離さないように) カッターナイフでスジを入れます。いれたあと車体をコの時型に曲げて みます。屋根がすんなりとはいかないでしょうが、だいたいの形に曲がっ てくれることと思います。もっともカーブのきつい所ではそうもいかな いので、手で曲げ癖をつけてやります。この時1/80の図面があれば曲げ のガイドにもなります。外形図−紙の厚さのガイド(治具)をつくるの も手です。一度曲げたら、今度は窓を抜きます。さきに屋根を曲げるの は、窓を先に抜くと強度的に弱い窓柱に力がかかって折れてしまうので それを防ぐためです。この方法だと特に補強をしなくても曲げに苦労し なくてすみます。窓も直線部分はカッターで隅のRのついている所はU カッターと呼ばれるノミ(歌川模型製)で抜きます。直線とRの部分の 合わせがちゃんとつながるように慎重にやりましょう。 Q:車体をどう組み立てるの? 私の場合、車体はルーフ一体の側板と妻板(内と外の2枚張り合わせ) からなります。内妻は屋根が外周−紙の厚さになっていて、ガイドにな ります。外は原物合わせで切るようにしておきます。 さて、車体補強の話になりますが、私は角材ではなく真鍮アングル材を 使っています。しかもL字の1辺が車体下端に合うようにつけます。こ うすると裾がアングル材で補強されるので、丈夫になります。後はドア 等がアンブル材と干渉しないようにスペーサーを兼ねた補強とします。 側板屋根は特に補強していませんが、組立のガイドになるように、なお かつ窓付近はすっきりするように補強をいれるとよいでしょう。 代わりに瞬間接着材を染み込ませます。窓/ドアの切り口、補強(スペー サー)との角、そして内側全体に染み込ませ、400番くらいのペーパー でヤスります。これでかなり車体は硬くなり、強度もでます。ただ、曲 げようとする所にはまだ染み込ませないように注意してください。折れ たようになってしまいます。瞬間は紙をプラスチックに変える魔法の樹 脂なんです。 組立はアングル(スペーサー+ドア)の取付から始めます。 両方にゴム系接着材を塗り、5分ほど乾かしてから張り付けます。 それが終わったら、今度は接着した両端にエポキシ接着材を盛ります。 ドライヤーで暖めてやると流れるようになりますので、隙間に流し込む ような感じで埋めてやってください。こうすると車体とアングル材が一 体のようになります。 次にいよいよ車体の組立に入ります。まずは木工用ボンドで組み立てま す。輪ゴムも併用してハコにします。1日ほど乾かしてから、今度はエ ポキシを流します。エポキシ接着材を妻と側板、屋根の接合面に盛り、 ドライヤーで暖めます。そうするとエポキシは粘度が落ちて液状になり 隙間にも流れ込んで、しっかり固着します。 以上で、ペーパー車体が瞬間とエポキシでプラ並みの強度を持つように してハコに組み立てることができます。 Q:下地仕上げはどうするの? 車体をハコに組み上げたら、今度は下地仕上げに入ります。まずは妻と 側板との継ぎ目の処理からです。それにはパテを使います。使っている のはタミヤのパテですが、広い面積には収縮の関係かヒビ割れたりしま すので、あくまで隙間埋めにのみ使用します。平面を出すためにはサー フェーサーでやります。 パテで継ぎ目を埋めたら一度#400くらいのペーパーで削ります。周りは ケバだちますが、無視します。埋めが足りなかったら再度盛って繰り返 します。 だいたい終わった所で、サーフェーサーを塗ります。まずは薄く染み込 ませるように塗るわけですが、この時、サーフェーサーの上澄みの青い のを使うようにします。 ここでサーフェーサーの話をします。 サーフェーサーには2通りの役目があります。 1.車体(紙)の固着 2.デコボコを埋める。 1.は紙に染み込んで固める作用、2.は表面にはり付いて耐水ペーパーで 削れるというわけです。 で、私はエコーのサーフェーサーを使っていますが、かき混ぜない状態 で、上澄み(澄んでいるわけではないが)が1.の役目を、底にとこって いるドロっとしたもの(パテみたいなものです)が2.の役目になります。 ペーパーがけをすっきり仕上げるためには2.はなるべく使わず、1.で車 体を固めてうまく下地を仕上げるのがコツのようです。 一度染み込ませたら、#400でまずヤスり、次はかき混ぜたものを塗って 再度#400でヤスリます。後は個人の好みと思い入れ:-P によって600,800, 1000,1200と耐水ペーパーの目を細かくしていきます。1.を効果的に使う と車体は波打っているかもしれませんが、表面は鏡の様になります。 ペーパーがけで1番時間がかかり、面倒な作業ですが、ここでできが決 まりますが、ほどほどにしておくのが数をこなすコツでしょう。^^; 400,800,1000の3回が目安です。 Q:ディテールはどうするの? 下地仕上げが終わったら、いよいよディテーリングに入ります。 まずは雨ドイです。雨樋はいろいろ方法がありますが、私は真鍮帯金を 使って表現しています。車体にはエポキシと一部瞬間を併用しますが、 瞬間だけだとショックでポロリがありますので;.; できるだけそれ以外 の接着材でしっかり付けて下さい。ちょうど角になる部分でもあり、い ろいろ力を受ける所でもあります。 手スリ類は0.25〜0.3の真鍮/洋白線を使います。(エコーからパーツ もでてますから、物臭な人はその分金を出して手間を省くことはできま す)サボ受けもエコーのエッチング抜きのもの(#1674あたり)を使用し ています。他、必要に応じてパーツなり、自作するなりして取り付けま す。クーラー/ベンチレーターは同色ならつけてもいいですが、別塗装 で後につけることが多いです。 Q:塗装はどうしてるの? いよいよ佳境にさしかかってきました。製作としてしては最後の大一番 である本塗装に入ります。ここで失敗するとペーパーの場合今まで苦労 が水の泡になりますから、気を引き締めてかかることになります。 私の場合はマッハの調色ラッカー+エアブラシで塗装します。塗装する 上での注意その1としてちゃんとした色を塗ることです。そのためには よくかき混ぜることが大事です。また、編成として色を合わせるために は全車一度に塗るのがベストですが、そういうわけにもいかないことも あります。この場合、色の調子を合わせる様に混ぜましょう。とは言う ものの、なかなか難しく、1両づつ塗ったら、それぞれクリームの色合 いが違う結果となってしまいました。^.^; その2として、埃にご注意。 エコーは埃漉しのフィルタを売っています。(私は使っていませんが^^;) その3として湿度。湿度も埃と並んでラッカー塗装をする上での大敵で す。湿度が高いとどうなるか?表面に白い膜のようなものができてしま います。(これをカブるといいます)予防するにはどうしるか?ですが、 天気の良い昼間に塗装することをお勧めします。なおかつ湿度の低い日 を気長に待つしかないです。なんてことを言っているといつになったら 塗装できるかわかりませんので、予防策をひとつ、塗る前にドライヤー で本体をよく暖めてやります。するとカブりをある程度は抑えることが できます。間違っても半乾きのはドライヤーで暖めないで下さいね、気 泡ができて見るも無残なことになります。^^;それからできるだけ息を 吹きかけないことです。乾かそうとして「フ〜、フ〜」はご法度です。^^; その3として、濃すぎない、薄すぎないことです。だいたいラッカーは シンナーで3倍に薄めて塗るのが基本です。濃くて倍(は厳しい)です。 濃すぎると粒子が粗く、サラついた感じになります。逆に薄いと垂れや すく、また色がつかないので吹き過ぎてしまうことになりかねません。 乾くまでに時間がかかるのでカブりを招くことにもなりかねませんし、 せっかく仕上げた下地を溶かしてだいなしにするかもしれません。要は 濃さも薄さもほどほどに。ただ、塗装の乾きは温度によっても左右され ます、その時々に応じて濃さは変えるようにしましょう。 その4として一気に吹き過ぎないこと。垂れたり、ボッテリとした感じ になってしまいます。せっかくつけたディテールもうまってしまったり... じっくりゆっくり塗りましょう。 塗り方のコツですが、1方向に流すように吹きましょう。往復させる 場合は、折り返しポイントを本体からはずれた所にすることです。塗る 量を同じにして、塗りムラをなくすためです。 塗ったら1日は乾燥させてください。できれば天火に干すのがいいか もしれません。これをおこたりますと、マスキングテープを剥がした時 にいっしょに剥がれたり、箱にしまうと梱包材に押されて皺がついたり します。 塗装の順番ですが、明度が高い方かベースとなる色を先に塗ります。 また透けやすい色は後にします。 Q:マスキングはどうやっているの? マスキングテープと新聞紙を使ってマスキングします。1度のマスキン グで塗り分けが無理な場合は、数度にわけましょう。無理するとにじん だりしてかえって補修が必要になります。マスキングゾルは不安があっ て使ったことはありません。マスキングテープの糊がつっついたりする のを防ぐのに、塗る直前に行ない、塗装後ちょっと置いてすぐ剥がして しまいます。(カッターナイフをあてることはない) Q:文字や番号はどうするの? 塗装が終了していよいよ最後のディテールアップ、標記入れに入ります。 まぁ、車号等を含めインレタを使います。一時こみやがかなり出してい ましたが、ほとんど品切れ状態だそうです。(私はストックを使ってい る)今手にはいるのはエンドウといさみやくらいのようです。(カトー もインレタ方式で、これの余りを重宝して使ってもいます)インレタの 問題としては剥がれやすいということがあります。レタ押さえというス プレーもありますが、私はプラ塗料のクリヤーにフラットベースを混ぜ たものを押さえに使っています。多少の艶の違いは、最終的な仕上げに クリヤーを吹くので気にしません。後づけパーツ、色入れ、一部補修し たあと、最後にクリヤーを吹き、窓ガラス(透明/ブリー/白/スリ) をゴム系接着材で付けると車体は完成です。 Q:走らせるとなぜか脱線するのですが。 脱線する車輌と動力(モーター)の入っている車輌との位置関係はどう なっていますか?もし、動力車が押す形になるような方向で走らせた場 合に脱線するのであれば、その車輌は軽すぎて浮き上がっている可能性 があります。車輌(トレーラー)は軽ければよいと言うわけではありま せん。ウェイトを若干積んであげましょう。その場合、できるかぎり各 車輌(動力車以外)の重さが揃う様に心掛けましょう。 もし引かれる場合(この場合も軽いとカーブで内側に引っ張られた時に 脱線する場合があります)や方向に関係なく脱線する場合には、センター ピンに入れたバネの硬さを見ましょう。市販されているセンターピンの バネは金属車体を想定したレートになっていて、車重が軽い場合にレー ルのねじれにバネの方が勝ってしまい、脱線する場合があります。その 場合にはバネを1/3〜1/2ほどカットして、台車の追従を軽くしてやると 脱線しなくなる場合があります。この時カットするのは片側でよく、両 方ともやると車体が左右にフラフラ揺れる様になってしまうので注意し ましょう。 ---- end