模型の列車の速度を測定する試みは以前からありますが、結構大掛かりな装置が使われていたりしていました。
2005年の関東合同運転会でプロトサーティーンクラブの方がコンパクトな速度測定器を持って来られていて私も欲しいと思っていました。
その製作者の方に作り方を教えてもらおうとお願いしたのですが、お忙しいようで、教えてもらう事ができませんでした。(ご本人に直接聞いたら、メイルは送っていただとのことで、私のサーバのスパムフィルタにひっかかって届かなかったようです。)
そんな矢先、インターネットで検索していると似たような速度測定器を作られている方がいらっしゃいました。
清水さんという方が、速度測定器の作り方を公開されていて、プログラム書き込み済みの1チップマイコンを頒布されていて、プリント基板も頒布されるとのことで、私も注文しました。
URLは、
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/tohrus/marklin.html
です。
でも、オリジナルとはちょっと違う事をしたくて、プログラムは自作する事にし、センサもオリジナルは透過型なのに対し、反射型にしてみました。
基板上の配線イメージで描いたのが下記の回路図です。
基本的に清水さんの設計の回路と同じなのですが、なるべく部品点数が少なくなるようにしてみました。
回路図ではS6986と書いてありますが、実際に使用したのはS4282-51という浜松ホトニクス製の光変調型フォトICです。
(S6986とS4282-51とは電気特性は同じで、形状のみが異なります)
LEDは三洋製のSLR-738A-40という830nm赤外 のを使用しています。
S4282-51の受光特性が800nmあたりでピークとなるため、それに近い周波数で発光するLEDを探した結果、入手できたので一番近かったのが上記のLEDだったということです。
大したプログラムではありませんが、ソースも公開しておきます。
スケール速度測定器のソース(PIC16F648Aのアセンブラです)
2006年2月4,5日に行われた関東合同運転会に持って行きました。
プロトサーティーンクラブのレイアウトで2台の速度測定器を並べて比較を行いました。
測定値の差は、100km/hに対し1,2km/h程度でほぼ近い値を示し、問題が無いと思われます。
写真を見ると測定器の背後に荷物を置いてありますが、これは直射日光を避けるためです。
当初、私の測定器が5km/hほど速い値を示していたのですが、色々調べたところ、片方のセンサ部分に直射日光が当っているためとわかりました。
その後、プロトサーティーンの方の測定器も測定できなくなり、これも直射日光の影響ということが判明しました。
直射日光でも耐えうるセンサを作る事が今後の課題の一つとなりました。
PICの発振器は内蔵のものを使用していたのですが、誤差が±1%と比較的大きく、PICの外付け発振器としてよく使用されるセラミック発振器も±0.5%と誤差が大きいので、水晶発振器に変えてみました。
(2006/1/27作製 2006/2/7,2/10修正)
森井 義博 (morii yoshihiro)
mory@morii.jp